緊急地震速報(「高度利用者向け」緊急地震速報)
  • 2004年2月25日から気象庁の試験運用が開始された。2004年10月の新潟県中越地震の際には茨城県守谷市で地震波の到達より早く緊急地震速報が発表される様子がビデオ映像明星電気)で記録されている。また2007年7月の新潟県中越沖地震では東京都内の家庭において緊急地震速報の様子がビデオ映像YouTube)に収められた。

    緊急地震速報の特性をよく理解し情報を混乱なく利用しうるとされた特定の分野に対しては、2006年8月1日から先行的に緊急地震速報の配信が始められた。ガス電力鉄道といったライフライン(例えば、ガスなら主要動が来る前にガス供給をストップし火災を防ぐ。また鉄道では、防護無線を通じて緊急停止させる)や病院(手術中に地震に見舞われる際に患者を守る)などでの活用が想定されている。

    この先行的な提供を受けるのに必要な気象業務支援センターとの手続が完了している機関数は2007年3月現在で地方公共団体や鉄道事業者、電力、ガス、製造、放送業など400を超えている。

    また、市町村防災行政無線を使った広域への情報提供やそれを利用した訓練が一部の自治体で行われており、2007年10月からは他の自治体にも拡大する予定となっている。

    ただ、一般世帯に高度利用者向け――を導入する場合、受信端末や料金などそれなりのコストが必要となる。

    以上のように、随意、速報の提供に応じ、システムへの理解が得られていると考えられる「高度利用者」に対しては、「一般向け」とは多少異なる内容の速報を行っている。現在のところ「高度利用者向け」運用では、気象庁の多機能型地震計の1つ以上の観測点においてP波またはS波の振幅が100ガル以上となるか、もしくは解析によりマグニチュード3.5以上または最大震度3以上と推定される場合に、地震の発生時刻、震源の推定値の速報を行っている。この時点で、推定される最大震度が震度4以下のときは最大震度のみを、推定される最大震度が震度5弱以上のときは地域名、震度5弱以上と推定される地域の推定震度、各地域への主要動到達時刻の推定値を、それぞれ加えて発表する。ただし、マグニチュード6.0未満かつ最大震度5弱未満が予想される場合には、参考情報として発表する。震源やS波の広がり方などの情報を、地図で確認できる受信システムの場合、震度4以上の揺れが予想される地域に着色される。

    「高度利用者向け」運用では、まず地震が発生したことをいち早く知らせるための第1報を優先的に発表する。その後2つ以上の観測点で地震波が観測されれば、さらに解析を行い第2報・第3報…と情報を更新していく。更新を重ね、予測の精度が安定したと判断されれば、最終報を発表し、これ以降はその地震の速報の発表を終了する。あらかじめ規定されている時間内に2つ以上の観測点で地震波が観測されなかった場合は、ノイズ(故障や誤報)と判断してキャンセル報を発表する。第1報では非常に大きな誤差が含まれ、などによる誤報の可能性も高い。第2報・第3報…が発表され、時間が経過するに従い、精度が上がっていく。

    「高度利用者向け」と「一般向け」の大きな違いは、以下の2点が指摘できる。「同名異物の緊急地震速報の並存」、または「似て非なる緊急地震速報の並存」を正確かつ十分に理解して利活用し、期待されている減災効果が十全に発揮されることが望まれる。

    • 「高度利用者向け」は、実際に発生した地震を利用して、ユーザーの希望に応じて、例えば予測震度3以上(震度2では、地震の揺れを感知できない場合がある)で発報させることによって、実戦的な地震防災のリハーサルまたは訓練の機会を提供することが可能である。これに対して「一般向け」は、地震被害が予想される場合のみに発報されるため、速報に接する機会は極めて稀であり、また常に実際的であるため、上記「高度利用者向け」では可能なリハーサルまたは訓練の機会は得られない。
    • 緊急地震速報の技術的限界から誤差は避けられないとは言いながらも、「予測震度3」と教えてくれた場合には、「(1)実際の震度は決して震度7ではない、(2)大きな揺れも来ない、(3)大きな被害にはならない」ことを確実に教えてくれる。これこそが、高度利用者向け緊急地震速報の「安心」効果の一つであり、「一般向け」速報にはない効果である。


*wikipediaより参照

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