直下型地震対策(9.1.1 地震による主な被害)

人的被害 建物・家具の倒壊等による怪我および生命への危険。ノイローゼやPTSDなどの心理的被害。 建造物への被害 揺れによりまず柱・梁・壁・基礎等のひび割れが生じ、地震耐力(耐震強度)が低下すると自重とさらなる揺れによって損壊、倒壊・崩壊に至る。致命的な被害がない場合でも、強度が低下して地震や荷重に弱くなることがある。余震の多発により、本震から時間が経ってからも被害が拡大する例が多い。 地震により窓ガラスや扉といった建具、ブロック塀、壁面のタイル等が破損・変形・落下・飛散することもある。 屋内ではテレビや冷蔵庫といった電気製品、書棚などの家具や食器類、置物などが転倒・落下・飛散することがある。 高層ビルでは長周期地震動による大きな揺れを生じることがある。エレベータでは地震感知器以外の安全装置が地震動により誤作動し閉じ込められる場合があり、大規模地震により大量の閉じ込めが発生することが懸念されている。 体育館やプール、展示場などの大規模施設では天井や屋根が破損・落下することがある。 火災の発生 電気設備・都市ガス設備等破損により火災が発生することがある。停電復旧時の通電火災、強風を伴った場合の火災旋風が発生する場合もある。 地盤・斜面への被害 地震動によって、落石、地割れや地盤の緩みが起こるほか、傾斜地や傾斜した地層、崖などではずれや凹凸が生じる。斜面ではがけ崩れ、地滑りが発生する。地震の規模が大きい場合には山体崩壊を伴う。沖積地の砂質地盤では液状化現象や側方流動が発生することがある。河川ではがけ崩れや地滑りにより河道閉塞(せき止め湖・天然ダム)が生じ、時間をおいて土石流を発生させる。寒冷地では雪崩も発生する。また、大地震後しばらくは地盤の緩みによって降雨等による土砂災害が発生しやすくなる。 津波の被害 家屋や建造物の流失、人的被害、滞留した水やゴミによる衛生環境の悪化、漁場や港湾への被害、田畑や防風林への塩害など。 ライフラインへの影響 (水道)取水設備・浄水設備・水道管の破損等により断水を生じることがある。 (電気)発電所・変電所の停止、鉄塔の倒壊、送電線の切断などにより停電を生じることがある。 (ガス)都市ガスの場合、マイコンメーターの作動により地域単位で供給が遮断されることがある。また、ガス管の破損により供給が停止することがある。 (交通)安全確認のため鉄道では運転見合わせ、高速道路などの道路では速度規制・通行規制などが行われる。地震により鉄道施設・道路施設そのものが故障・寸断されている場合には復旧に時間がかかる。都市部では公共交通機関の麻痺による大量の帰宅困難者が発生することがある。また、山間部・離島や沿岸部で土砂災害や津波によって陸上交通や港湾・飛行場が被害を受け集落が孤立することがある。 (通信)通信施設・電話線・通信系統そのものの損傷、あるいは安否確認・問い合わせ等の通信の殺到による回線のパンクによって通信に重大な支障を生じる。情報源が乏しくなったり情報の錯綜・混乱を生じることがあり、災害に関する情報や生活に必要な情報が入手しづらくなったり、デマや流言が広まりやすくなる。また他方では、地震による被害の過大報道・誤報や誤った認識などによる風評被害が発生する場合もある。 物資の不足や生活環境への被害 食糧・水や生活物資の不足。家屋被害による居住場所不足、トイレ不足。 物資不足による価格高騰、ヤミ市の出現 医療サービス、公共サービス、行政サービスなどの低下、機能停止。 その他の経済的損失 農地への被害。商品や工場への被害。寡占商品が被害を受けた場合の経済全体への影響。 文化的被害 文化財や天然記念物、景観などへの被害。文献や史料の損傷、紛失。 衛生状態の悪化 水やごみによる衛生環境の悪化、感染症の流行。 治安の悪化、犯罪の増加、災害時犯罪の発生 スーパーマーケットやデパートなどの店舗で食料品や生活物資などが窃盗・略奪される。支援物資の奪い合い、暴動などが発生し、治安が悪化(多くの国では近年も震災後の暴動・略奪などがしばしば発生しているが、日本では関東大震災以来、90年近くにわたって自然災害後の極度の治安悪化は起こっていない)。 震災を利用した詐欺、混乱に乗じた被災家屋や金融機関からの窃盗などの犯罪。 刑務所や拘置所が崩壊すると、受刑者(収容者)が脱走し、治安の悪化が進行(ハイチ地震やチリ地震など)。 長期的に見て、地震による被害は縮小する傾向にある。これは、建造物の耐震化や地震に強い社会基盤の形成、さらに地震に関する知識や防災意識の浸透によるものが大きい。日本でも地震の被害は1948年に発生した福井地震の頃まで、人口の増加と産業の発展に比例して増加した部分もあったが、その後は住宅の耐震性・耐火性の向上とともに揺れに起因する被害は減少してきている。世界的にも、地震被害の多い地域では耐震化や防災体制の構築により被害が減少している地域もあるが、途上国を中心にいまだに有効な対策がとられていない地域も多く存在する。 地震は自然現象であり、現在の技術では押しとどめることはできないが、事前に備えておけば被害を大幅に小さくすることは可能であり、地震による災害を人災とする考え方もある。この「努力と事前対策により、想定される被害を可能な限り減らす」、すなわち「減災」の考え方を広めようという運動が2008年頃から行なわれている。


*wikipediaより参照

TOP